氣鍼医術症例ブログ〜難経69難本治法の実践日記(はてな版)

脉診流「気鍼医術」創始者で臨床40年、福島弘道先生の直弟子である葛野玄庵による症例ブログです

風邪治療には咳嗽感熱を司る経金穴

55歳 主婦

 

5日後からフロリダの娘に会いに行く予定だが、風邪気味で、と来院。

 

【主訴】涶を飲み込むと右ののどが痛む、咳が少し出る。昨夜は寒気がして、まずいなと思っていたら、朝から微熱が出始めたという。

 
 診断

臨床現場では主訴から推測して応用診断することがある

まず主訴からして、肺経絡病証が多いので魚際穴にステンレス1番鍼をあてながら脉診。すると左右差があり左が脉締した。ということは肺経の子午拮抗経絡は膀胱経。

 

奇経診断

 ここで奇経診断に頭を切り替える。膀胱経上の奇経八総穴は申脈である。そこで右申脉―右後谿にNSを添付するとしっかり脉締した。
 

以上の診断から自信をもって「肺虚肝虚証左同側」が確定する。

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さらにそこから五行穴を病症的にどう決定するかが大切である。通常の風邪ならば肺経は兪土原穴の太淵穴を選穴するが、喘欬寒熱が激しい場合は経金穴・経渠穴を使用することになる。

 

この患者の症状はさほど咳もないので軽症と考え、太淵に決めてはりをあてたが締まりが悪い、おや、証が違うのか、いやそんなはずはない。喉痛があるがこれはちときつくなりかけてるのかな。

 

「喉は痛む」「なんだか朝より痛みが増えたような」經金穴経渠にはりをあてた途端、「あら楽になるー」全部經金穴を補い、終了時には喉の痛みは嘘のようになくなったという。陽経の処理をして返したがとても喜んで帰って行った。

 

「風邪が治せるようになれば経絡治療家の仲間入りだよ」といっていた師の声が耳の奥で響いたように思う。

 

初出:2016/08/12

 

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