氣鍼医術症例ブログ〜難経69難本治法の実践日記(はてな版)

脉診流「気鍼医術」創始者で臨床40年、福島弘道先生の直弟子である葛野玄庵による症例ブログです

不登校の原因が起立性調節障害というのは珍しいことではありません

<<初診>> 

平成28年3月22日

 

12歳男子身長:165㎝ 体重:50キログラム

医院診断:起立性調節障害

 

<<症状>>  

朝だるくて起きれない・頭重・頭痛・めまい・のぼせ・乗り物酔い・立っていると血圧が下がる・毎日夜中に大量の発汗・アトピー性皮膚炎。

 

<<来院までの経過>>

1月19日のこと、小学6年生の息子が起きてこないので母親が起こしに行くと「背中に鉄板が乗ったみたいで体がだるくて動けない!」との訴え。熱を計ると39度もある。慌てて小児科につれて行ったが原因不明。脳神経科を紹介された。

 

いろんな検査をされた結果「起立性調節障害」と診断されたという。2ヶ月間いろんな薬を出されたがほとんど変化なし。朝が起きれないうえに上記した症状も変わらない。4月からは中学生なのにこのままだと登校さえ危ういので中学校長にも相談に行ったという。知人の紹介で母親につれられて来院。

 

背中が少し猫背である。毎日夜中から朝にかけて大量の汗が出て3枚はシャツを代えるという。頭痛・めまい・のぼせ・両足が変な感じと訴える。

 

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<<1回目の治療>>

脈状:やや浮いて数、風邪が入った脈状であった。肺虚肝心実証。

 

<<2回目の治療>>

初回の治療後、夜中の汗が半分に減ったとのこと。心包虚腎虚証。

 

<<3回目の治療>>

アトピー性皮膚炎がやや増えている。おやつに問題がありそうだ。脾虚腎虚

 

<<4回目の治療(3月29日)>>

「1日、汗が出なかった」「朝は起こされなくても自分で起きれた」と喜んでいる。

 

奇経診断 右後谿―左申脈   

肝虚肺虚証 左から交差合水穴

 

やっと本来の体質脈になったようだ。背中に鉄板が乗ったような感覚から始まった今回の病証であるが、根っこは督脈病証である。なぜなら背骨をしこたま打撲・捻挫をしていなければ今回のような病症が突然出現はしない。

 

背骨を首・肩・尾椎までスーッとなでおろして凸凹や圧痛を確かめると、圧痛部位が多数あることによって幼少時の全身打撲が推定されるのだ。

 

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督脈に沿っての気鍼医術の補瀉治療、裏内庭にお灸を追加しアトピー性皮膚炎とバス酔いの治療も加えた。

 

<<10回目の治療(4月12日)>>

「こんなに早く良くなるとは思いませんでした。目覚めも良くなって学校に行けている」

学校に行けるようになったので、今日から週に一回土曜日に治療継続することにした。

 

<<13回目の治療(4月30日)>>

「朝起き良好、バス酔いもなく学校へ行けている」

 

<<15回目の治療(5月14日)>>

淡路島への学年合宿があり「通常通り参加できた」と喜びの声で母親が報告してくれた。最初の症状はほとんど緩解したがアトピー性皮膚炎が残るので治療は継続している。

 

今回は病名診断はされたが原因不明の病証である。西洋医学では太刀打ちできないといっても過言ではない。鍼灸医術はその人間の六臓六腑の気血の流れを整えることで自然治癒力を向上させ治癒に導く治療術なのである。本当にすごい医術だとつくづく思う。

  

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