氣鍼医術症例ブログ〜難経69難本治法の実践日記(はてな版)

脉診流「気鍼医術」創始者で臨床40年、福島弘道先生の直弟子である葛野玄庵による症例ブログです

「養生のはり」結脈を治す〜118歳を目指して

93歳 書道家 男性

 

今日も体調はいたって良好である。月1回から2回「脈を整えてもらいに来ました」と来院する。かな文字の世界では日本で5本の指に入る高名な書道家である。東京・福岡など毎月のように自分で切符を取って一人で指導に出向いているという。あと25年は頑張るとの意気込み。現在が93歳だから25年後というと118歳だ。

 

<<奇経診断>>  

左臨泣―右合谷で脉締

 

<<証>> 

心虚腎虚右から合水

脈状はいつもやや革を帯びて結脈を呈している。

 

<<治療>> 

本治法を行った時点で結脈はなくなる。次に座位における肩・背・腰の督脈・輸穴に対する「気鍼」治療。それに督脈上の反応点5か所への絹糸上の直接灸、約49度の灸熱でちくっとするがやけどはしない爽快感の残るお灸である。以上で養生治療終了。治療時間20分。

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この患者さんとは記憶に残る話がある。初診はちょうど20年前、72歳の時。

 

お弟子さんが「椎間板ヘルニアで病院から手術を薦められてますが先生治してあげてください」と紹介してきた。それを5回で治してしまったのでよほど症状が軽かったと勘違いしたのかそれっきり来院してこなかった。

 

それから15年もたってからのお盆の墓参りの最中、いきなり携帯電話が鳴ったのだが出てみると「痛くて、痛くて何とかしていただけないか」と。トンボ帰りして87歳になっていたその方の「坐骨神経痛」をぴたりと1回でその場で止めてしまったのだ。

 

そして今回は言った、「悪くなってからではなく普段からはり灸治療をやりませんか、体調管理にとてもいいですよ」と。118歳まで頑張り続けるためにはり灸治療を積極的に受けてくださっている。

 

余談になるがその日「あの方はどうしてるかな、でも生きてらしても87歳くらいだしもういらっしゃらないだろうな」と思い出していた矢先だったから驚いた。以心伝心、思い出した患者から間もなく電話があるという不思議はよくあるものだ。